加賀 博昭 ドットコム企業の株価の急落によって、ネットを操る能力は長けているが、 総合的な経営力は既存の大企業の優れているため、いずれドットコム企業は消 え、そのノウハウのみが既存の大企業に吸収されるという主張もあるようだが 本当にそうであろうか、現在ドットコム企業が業績が悪いからといって将来も そうとは限らないのではないだろうか。 たしかに既存の大企業は、ブランドや物流システムといった過去の遺産があ る分、現状においては有利であることは間違いないであろうが、ドットコム企 業のほうが身軽な分、進歩のスピードは速い。 もちろん、現在の業績を考えれば既存のドットコム企業のほとんどが生き残 れないのは確実である。だからといって全てのドットコム企業が生き残れない と考えるのは間違いである。ネットビジネスは参入が容易であるため、そこで の競争は熾烈である。しかしだからこそ、その進歩のスピードは速く、競争に 勝ち抜いたドットコム企業が、それに比べて大企業の動きは緩慢である。その ため、既存の大企業に比べてドットコム企業のほうがより強力な競争力を獲得 する可能性が高い。結果的に、ネットビジネスでより強力な競争力を獲得した ドットコム企業が、既存の大企業も含めた、全ての企業を打ち負かすことにな ると考えるのが自然ではないだろうか。 これまでのところ、現在の広告収入にたよるビジネスモデルが破綻しつつあ るのは確かである。そのため、各ドットコム企業は広告収入以外の収入源を見 つけるために知恵を絞っている最中である。生き残りをかけて必死で考えれば いずれ答えを出す企業が出てくるのは確実である。勝負はこれからだ。 |