リンクはトップページへ

加賀 博昭

ときおり、トップページへのリンクをリンク許諾の条件としているサイトが 見受けられるが、これらのサイトの運営者はトップページへのリンクを要求す ることによって、リンクされる機会を逃しているとは考えないのであろうか。

利用者にとっては、目的のページに直接リンクしたほうがトップページにリ ンクするよりもクリック数は少なくてすむのであるから、直接リンクほうが便 利なのは明らかである。トップページへのリンクを要求するのは、利用者に不 便を強いる行為である。はたして、そんな不便なサイトが利用されるであろう か。確実にサイトの利用者を少なくしてしまう行為であることは明らかである。 サイト運営者にとっては、サイトの訪問者を増やすことが至上命題なのである から直接リンクであろうとなかろうと、リンクは許諾すべきである。

不合理なトップページへのリンク要求によって、リンクされる機会を失った りしていてはサイト間の利用者獲得競争に勝つことはできない。

それに、サイトの利用者がトップページ以外からサイトに入る可能性は、直 接リンク以外にもある。例えば、検索エンジンで検索した場合に表示されるの は、必ずしもトップページとは限らない。むしろ、トップページ以外のページ が表示されることが多い。検索エンジンに対しても、トップページが優先的に 検索結果に表示されるよう要求するのであろうか。まさか、そんなことはしな いだろう。

しかし、トップページからサイトをナビゲートをするようにデザインされて いるのだから、トップページにリンクしてもらわないと困ると言われるかもし れないが、そもそもトップページだけにナビゲートの機能を持たせているのが 間違いなのである。サイトのナビゲートはトップページだけで行うのではなく、 サイト内のどのページからでも他のページに、利用者をナビゲートできるよう に各ページをデザインするべきである。

そんなことをしなくても、いったんトップページに戻ってもらえばいいと思 うかも知れないが、利用者にとって、面白そうなコンテンツがあるかどうかも わからないのに、手間をかけてまでトップページに行くであろうか。おそらく、 行かない人がほとんどではないだろうか。

すくなくとも、そのサイト内にほかにどんなコンテンツわかるようなページ デザインにしておかなければ、利用者が最初に入ったページから他のページに 移るためのアクションは期待できない。利用者にとっては、どのページであっ ても最初に表示されるページが、そのサイトのトップページであることを認識 しておかなければならない。